enoughの用法 (その他) #2
2010-03-28
本日は enough の修飾関係についての説明です。これも具体的に説明している文法書は多くありません。仮に記述されていても、その内容がやや現状に合っていないものもあります。本日はこの点を含めて検証してみましょう。
(1) exactly, just, quite などの副詞との共起が可能:
・My kids aren't exactly old enough to go without me to someone else's house. (うちの子供たちは親なしで他人の家に行ける年齢ではない。)
(2) 倍数表現との共起が可能:
・In fact, more than five times enough to pay for our services. (実際、本サービスに対する支払いの 5 倍以上であった。)
→この表現は倍数部分を変えても 5,000 件 前後のヒット数しかありません。よってあまり一般的とはいえません。また、距離を表す場合は、five times far enough が可能と基本形容詞・副詞辞典にありますが、Google のヒット件数はほとんどありません。これに関しては積極的な用法を控える方が良いでしょう。
(3) enough は段階的な副詞ではないので extremely, so much, too much, very(much) での修飾は不可:
上記の説明は基本形容詞・副詞辞典にあるものです。少し気になったので、Google で用例検索をかけてみました。すると下記のような結果が得られました。
・extremely enough: 7,440 件
・very enough: 89,100 件
・very much enough: 182,000 件
・so much enough: 392,000 件
・too much enough: 563,000 件
これを見ると、表現によってはそこそこのヒット件数があります。よって完全に「不可」とすることはできないようです。ただし、積極的な使用は控える方が良いでしょう。
次回も引き続き、enough の雑多な用法を検証します。