形容詞 enough の用法#3
2010-03-12
本日は、前回触れた enough + [名詞] + to do と [名詞] + enough to do には意味上の違いに関する補足説明です。
(1) [名詞] + enough and to spare で「あり余るほどの [名詞] 」という表現があります。これは、よく money enough and to spare (あり余る金) という表現で知られています。これは、前回触れた名詞の後ろに enough to...がつながると「多すぎる」という意味になることを支持するものです。ここから、英語基本形容詞・副詞辞典では、次の表現は不可としています。
×He has enough money and to spare.
(2) ところが、ジーニアスでは「enough [名詞] and to spare も可」という記述があります。非常に混乱しますね。そこで、money 以外にもいくつか名詞を変えて Google で用例検索をかけてみました。
a. money を修飾する例
・money enough and to spare: 486,000 件
・enough money and to spare: 940,000 件
b. water を修飾する例
・water enough and to spare: 125,000 件
・enough water and to spare: 7 件
c. space を修飾する例
・space enough and to spare: 77,100 件
・enough space and to spare: 1 件 (*しかも中国のサイトでした)
結論としては、[名詞] + enough and to spare が語法上正しいが、修飾する語句によっては enough money and to spare のような表現も存在する。しかし、逆転現象が起きる例は money 以外まれ、といえるでしょう。このように 1 つ辞書だけではなかなか真実はつかめません。必ず複数の辞書や参考書に当たるようにしましょう。