the + 形容詞#3
2010-03-05
形容詞の中には「前方照応性」を持つものと「後方照応性」を持つものがあります。本日はこの the + 形容詞について触れましょう。
(1) 前方照応性: the above, the aforesaid, the (a)fore-mentioned, the former, the latter, the opposite, the said など
(2) 後方照応性: the below, the following など
(3) 上記の表現に関する検証
a. the + 形容詞の用法ではありませんが、above と below には、an above and a below のように不定冠詞を伴う例もあります。これは「先に触れたものの一つ」の意味で使われます。
b. 英語基本形容詞・副詞辞典では、the below is...の用法は「まれ」としています。しかし、Google でのヒット件数も多く、現在では一般によく見られる用法です。
c. the following に関しては the followings are...の形も良く見られます。Google で用例検索すると、"the following are" が123,000,000 件、"the followings are" が 4,300,000 件ヒットします。古典的な規範文法の視点では前者が正しいのでしょうが、実際には後者の例も多くなってきているようです。followings は、the + 形容詞 (現在分詞) から派生したものと考えれば誤用になるでしょうが、following が名詞で、その複数形と考えれば誤用にはなりません。ネットでは followings の存在自体を否定する方もおられますが、Cambridge Dictionary of American English では following を可算名詞として扱っており、followings の存在を認めています。
the + 形容詞だけでも、これだけ英語的な広がりが出てきます。関連書籍を読んでさらに知識を深めてください。