以上、以下_1
2011-05-07
本日からは「以上」「以下」を取り上げます。これはよく「基準点」を含むか否かが問題になるので、この点を考えてみましょう。本日は「以下」を取り上げます。
1. 「数量」を対象にする場合、通常基準点を含む:
・室温を一八度以下に保つ (大辞泉)
・六歳以下は無料 (大辞泉)
【研究】「数量」の場合、基準点を含むのが一般的です。
2. 「程度」や「優劣」の場合、基準点を含むかは文脈依存:
a. 「基準点」を含むパターン
・校長以下教職員一同 (大辞泉)
・以下同様
b. 「基準点」を含まないパターン
・以下省略 (大辞泉)
・あいつの理解力は小学生以下だ。(大辞泉)
【研究】上記の場合「小学生未満」とは言いません。
3. Google での用例検索
a. 「以下」と「未満」での比較
・平均点以下:667,000件
・平均点未満:255,000件
【研究】「平均点以下」という文では通例基準点である「平均点」を含みません。ここでは2.6倍強の差が出ています。
b. 「以下は」と「未満は」での比較
平均点以下は:145,000件
・平均点未満は:3件
【研究】49,000倍近い差が出ている事実は非常に興味深いといえます。
次回は「以上」の用例を検討します。