unless + not の構文
2010-02-25
否定辞を含む unless 節は分かりにくくなるので不自然と判断する人もいるようですが、実際にはよく出会う表現です。本日は、この表現について考えてみましょう。
(1) 英文法解説では、unless 節が否定辞を含む場合 if not では言い換えられないとして、下記の例を挙げています。
・Don't ask me to explain unless you really don't understand. (本当にわからないなら仕方がないが、そうでなければ質問するな。)
→unless = if not であれば、この場合、unless + not = if not + not = if と判断し、上記の例文を Don't ask me to explain if you really understand. (実際に理解しているなら、質問するな。) とするならば、元の英文と内容が異なってしまいます。
(2) また同書は、否定辞を含む unless 節を if not 節で置き換えた場合、主節は否定から肯定に変わるとして、下記の例を挙げています。
・Ask me to explain (only) if you really don't understand. (本当にわからないのであれば、質問しなさい。)
→これは unless + not 節を unless 節にして説明しているので、当然、主節は否定から肯定に変わります。これであれば、原文のニュアンスが残り、ほぼ同義となります。
(3) (1) を見ると、unless + not = if not + not = if は常に成立しない気がしますが、そうでもありません。下記に例を挙げましょう。
・Nothing is impossible, unless you don't do it!
a. unless + not = if not + not = if と判断し、上記の例文を書き換えると Nothing is impossible, if you do it! (やりさえすればできないものはない。) となり、これは原文のニュアンスが出ます。
b. 否定辞を含む unless 節を if not 節で置き換えた場合、Nothing is possible, if you don't do it! (しなければ何もできない。) となり、これも原文のニュアンスが出ます。
「unless 節が否定辞を含む場合 if not では言い換えられない」かどうかは元の英文によるようです。他に例を探して検証してみましょう。