目的的関係の of
2010-02-07
前置詞 of は単に「~の...」と訳しても結構通じるので、安易にこの訳を当てる人も多いと思います。しかし、この of にはさまざまな意味があり、その用法をしっかり把握しておかないと応用は利きません。今回はこの「目的格関係の of」の用法についてじっくり見ていきましょう。
Cambridge Advanced Learner's Dictionary では、「DONE TO」と定義して、以下のような用例を挙げています。
【注意】訳と解説は説明用に加えてあります。
・the oppression of a nation (民族の圧政) → to oppress a nation と同義
・the destruction of the rain forest (熱帯雨林破壊) → to destruct the rain forest と同義
・the massacre of hundreds of innocent people (何百人もの罪なき人々を虐殺すること) → to massacre hundreds of innocent people と同義
これを見ていいただけると分かると思いますが、3 番目の例は比較的長いので「述部」のように訳す方が自然になります。では、さらに Microsoft 社のサイトから引用した例を見てみましょう。
・An increase of RAM to a size greater than 1 GB will result in increased size of the system files and less space on the hard drive for other applications and files.
<http://technet.microsoft.com/en-us/library/dd744590%28WS.10%29.aspx>
→主語の構造は An [increase (Vt)] of [RAM (O)] to a size greater than 1 GB で to increase RAM to a size greater than 1 GB (RAM の容量を 1 GB 強に増加させること) と同義になります。
このように前置詞 1 つでも深い意味と訳し方があることが分かったと思います。この点を踏まえて、より商品性の高い訳文を作成してください。