パンクチュエーションの用法 (ダッシュ編) #2
2010-02-05
一般にあまり知られていませんが、ダッシュには en ダッシュと em ダッシュと呼ばれるものがあります。前者は「短いダッシュ」を、後者は「長いダッシュ」を意味しています。これは、n と m の幅に等しいことが名前の由来のようです。それでは特徴や意味を含めて詳しく見ていきましょう。
en ダッシュとハイフンはかなり似ていますが、ハイフンの方が短く、位置もやや低めになっております。ちなみに、ASCII 表記では en および em ダッシュは存在しないので、通常、en ダッシュはハイフン 1 つで、em ダッシュはハイフン 2 つで代用します。
1. em ダッシュ
a. 「強調」の意味で使用され、説明的な語句が挿入する場合に使用されますが、前回 #1 で挙げたような「いきなり話題が飛ぶ」場合にも使われます。
b. em ダッシュを組み合わせて使用すると、 ( ) のように使用できます。
2. en ダッシュ
a. 2005-2010、pp. 203-6 のようにつなげる場合に使用しますが、下記のような例を Write right!: a desktop digest of punctuation, grammar, and style では認めていません。
from 2005-2010, between 2005-2010
これらはそれぞれ、from 2005 to 2010、between 2005 and 2010 と表記するように説明しています。
b. 複合形容詞を作成する場合に使用します。
warm-hearted
c. 接頭辞や接尾辞をつなぐのに使用します。
post-World War Ⅱ
3. 2-em ダッシュ (em ダッシュを 2 つつなげて使用)
単語の一部が省略されていることを示します。
Mr. B――, bl――rd
4. 3-em ダッシュ (em ダッシュを 3 つつなげて使用)
単語が完全に省略されていることを示します。
find the ――― and the ――― between A and B.
他にも細かい用法がありますが、これだけ押さえておけばかなり使えるはずです。上手にパンクチュエーションを利用して商品性の高い英文を作成してください。