パンクチュエーションの用法 (セミコロン編)
2010-01-26
今回はセミコロンの用法です。これは文脈上さまざまな意味を持つので注意が必要です。単に「すなわち」と訳すだけでは解釈できないことも多くなります。下記に英英辞書の定義を挙げてみましょう。
・a punctuation mark (;) indicating a more pronounced pause than that indicated by a comma. (Compact Oxford English Dictionary)
【概訳】カンマより明確な区切りを示す。
・A mark of punctuation (;) used to connect independent clauses and indicating a closer relationship between the clauses than a period does. (American Heritage Dictionary of the English Language)
【概訳】独立節をつなぐのに使用され、ピリオドに比べより近い関係性があることを示す。
・a punctuation mark ; used chiefly in a coordinating function between major sentence elements (as independent clauses of a compound sentence) (Merriam-Webster's Online Dictionary, 11th Edition)
【概訳】文要素の主要機能をつなぐのに使用する。
・the ; punctuation mark that is used in formal writing between two parts of a sentence, usually when each of the two parts could form grammatical sentences on their own. A semicolon can also separate the things in a list. (Cambridge Advanced Learner's Dictionary)
【概訳】公式文書で 1 文における 2 つの部分をつなぐのに使用され、通常、先の 2 つの部分は文法的に独立している。またリスト内で対象物を区切るのにも使用可能。
上記をまとめると、「カンマより関係性が深いことを示す」「独立した語句・節をつなぐ」ということになります。まあ、云わんとしていることは分かりますが、あまり有用な情報は得られませんね。
それに対し「現代英語語法大辞典」では、下記のように明確に定義しています。
1. 等位節を連結する用法
2. 語句・節の列挙
1. はさらに細かく機能が分かれ、a. 接続詞を代用し文脈から意味を読み取らせる b. 接続副詞 (however, consequently, therefore など) の前に置いて接続詞の代用を行う c. 等位接続詞 (and, but, for, or) で結ばれる各節が比較長い時に使用する、といった役割があります。
この中で翻訳の際一番頭を使うのが、a. の用法です。前後の文脈をよく考えて適切な訳語を当てましょう。絶対に訳を省略してはいけません。