gotcha の名詞用法
2010-01-20
訳出に困る表現の一つに chunk があります。単に「(大きな) かたまり」と訳して問題がなければそれで良いのですが、実際にはなかなかそうはいきません。一般の辞書では a chunk of で「かなりの量の」という連語も載せているため、さらに厄介なことになっています。下記に例を挙げましょう。
・a chunk of memory: あるまとまった [連続した] メモリー空間 [領域] (ビジネス技術実用英語大辞典)
ビジネス技術では「かなりの量の」以外の訳を載せていますが、他の一般的な辞書ではこの訳語をサポートしていません。ちなみに上記のa chunk of は、「まとまった」や「連続した」という意味を絶対に含まなくてはならないというわけではなく、文脈によっては、単に「空間」や「領域」だけで十分通用することがあります。さらに例を挙げましょう。
・Also called a data chunk, by RFC2960 SCTP (Stream Control Transmission Protocol) standards it is the term used to describe a unit of information within an SCTP packet that contains either control information or user data. <http://www.webopedia.com/TERM/C/chunk.html>
上記の説明から分かるように、chunk はときに「情報単位」を表すことがあります。また、次のような例もあります。
・(computing) A discrete segment of a file, stream, etc. (especially one that represents audiovisual media); a block. (Wiktionary)
まとめると、chunk の意味としては、「空間」「領域」「集合」「集まり」「ブロック」「セグメント」「ストリーム (=データの流れ)」などが考えられます。これ以外にもあると思いますので、文脈に応じて適切な表現を当てるようにしてください。