201000505 come の用法#3

spacertransparent2.png
spacertransparent2.png

新Jays時事英語研究.png

come の用法#3

2010-05-05

本日は come what may の用法です。これは「譲歩」を表す副詞節を導く表現で、「起こる」を表す come から派生したものです。

(1) Cambridge Advanced Learner's Dictionary および Random House では下記の用例を挙げています。

1.Definition of come what may from Cambridge Dictionary Online: Free English Dictionary and Thesaurusでは下記のような例を挙げています。

・I shall be there tonight come what may. (何があろうと今夜はそこにいるつもりだ。)

・It's always good to know that, come what may, your job is safe. (何があっても君の仕事に支障はないと理解しておくことは常に良いことだ。)

2. Come what may | Define Come what may at Dictionary.comでは下記のような例を挙げています。

Come what may, he will not change his mind. (何が起きても、彼は決心を変えることはないだろう。)

(2) 先の 2 つの辞書では、上記の例を挙げていますが、この come what may は「誓い」を表すことが多く、特に異性に向けた表現が多いようです。また、歌詞などにも頻出します。

Come what may, I will love you until my dying day. (何があろうと命ある限り君を愛す。)

Come what may,I won't abandon you. (何が起きようとも、君を見捨てたりはしない。)

・I do not know what lies ahead but come what may, come what will, I know that I will always love her and I will always be there to protect her. (これから何が待ち受けているか分かりませんが、何か起きまた何があっても彼女を常に愛し、いつでもそばにいて彼女を守るつもりです。) Come What Will, a Witch Hunter Robin fanfic - FanFiction.Net

→1. come what will のパターンもあります。2.「~するつもり」という表現の中に、I know that が持つ「認識」や「理解」の意味と will が持つ「意思」の意味合いを含めています。

(3) come what may をもう少し考察しましょう。

1. whatever may come, whatever may occur, no matter what happens, in spite of all obstacles, regardless of any opposition, argument, or consequences などが同義表現です。

2. これは「命令法」で表された「譲歩」表現です。ネットで検索すると、If [what may come] comes のように元は仮定法と解釈し、接続詞 if の省略による倒置が起きた構文 Come what may (←comesは自明なので省略) と解釈している人もおられるようですが、そもそも may という現在時制の助動詞や現在時制の comes が使用されている時点で仮定法と解釈するのはかなり難しいと思います。(上記の表現は直説法現在の「条件」節です。) よってここは素直に、規範文法書どおり「命令法」で表された「譲歩」表現と解釈する方が良いでしょう。

【参考】命令法を単純に説明すると「動詞の原形で始まる構文」です。本義的には「2 人称」ベースで考えるものですが、それだけでは捉えられない表現もあります。文法的なカテゴリ分けに使用される表現は参考程度に考えて、あまり引っ張られないようにしましょう。(例: 現在完了、使役動詞など)

次回は、今回の流れを踏んで譲歩を表す as を扱います。